山陽陳式太極拳研究会について
伝統と現代が調和する、伝統太極拳へようこそ
武術としての実用性と健康法としての効果を兼ね備えた伝統陳式太極拳。当会では伝統を重んじながらも、現代の生活に適応した太極拳の普及に努めています。年齢や経験を問わず、自分のペースで武術の奥深さを探求できます。
山陽陳式太極拳研究会とは
山陽陳式太極拳研究会は、中国陳家溝の四大金剛の一人であり、中国武術九段(最高位)の称号を持つ陳正雷老師の正式な拝師弟子である 坂野裕 先生 が主宰する会です。
当研究会は、兵庫・岡山を中心に活動し、陳式太極拳の正統な伝承を学びながら、武術としての奥深さ、そして心身の調和を追求しています。
心身の調和
伝統の太極拳の真髄を現代から未来に伝え、心身の健康と調和をもたらす実践の場を提供することで、地域社会に貢献します。
伝統的な技術を現代に活かし、誰もが学びやすい環境づくりを目指しています。
伝統太極拳の役割として
当研究会では一人ひとりの目標と可能性を尊重します。
武術の習得も健康維持も、それぞれの歩みを大切に、共に成長していきましょう。
丁寧な指導と温かいコミュニティを通じて、伝統陳式太極拳の価値を伝えていけるよう努めています。
山陽陳式太極拳研究会の指導の特徴
陳正雷老師の伝統陳氏太極拳は、伝統の技を忠実に継承しながらも、現代人の身体特性を考慮した合理的なものです。力を抜いて体を使い、内側から全身を連動させることにより、年齢を重ねるほど上達していく太極拳の奥義にたどり着くことができます。伝統陳式太極拳の指導法の特色は「簡素で明確」「易から難へ」「深く理解しやすい」という点にあり、多くの入門者が短期間で基礎を習得できる理由となっています。
- 伝統の型を忠実に継承すると同時に、現代の身体特性に合わせた指導法
- 繊細かつ明確な動き方で、初心者から経験者まで段階的に技術向上できる
- 理論理解力と身体能力を同時にトレーニング
陳正雷老師について
人物経歴

陳正雷
陳正雷(ちん せいらい)は、河南省温県陳家溝の陳氏十九世代の一人として1949年5月に生まれました。大専(短期大学相当)の学歴を持ち、陳氏太極拳第十一代嫡系伝承者です。中国当代「十大武術名師」の一人であり、現在は河南省体育委員会武術館副館長を務めています。 武術の名門に生まれ、幼い時から武術を学び始め、伯父の陳照丕に師事して家伝の陳氏太極拳を修練し、後に堂叔の陳照奎にも師事しました。日々の練習に刻苦勤勉であり、功夫は深く純正で、理論研究にも大きな造詣があることから「太極金剛」と称されています。1970年代以降、数々の省武術大会で太極拳、剣、推手競技の優勝を獲得しました。全国太極拳大会で2回連続優勝を果たし、全国武術大会特別招待演武賞と「金獅賞」を受賞しています。20年以上にわたり教授活動を行い、弟子は中国全土に広がり、全国および国際大会で金メダルを獲得した者は35人に達します。
社会的役職
陳正雷老師は現在、河南省武術管理センター副主任、省武術協会副主席、国家武術上級コーチ、国家級社会体育指導員、中国武術協会委員、中国体育科学学会委員などを務めています。また温県陳氏太極拳研究会会長、中国陳家溝太極拳推広センター総教練、河南太極体育健身有限公司太極拳総教練なども兼任しています。
国際活動
1981年以降、国際武術文化交流活動に多く参加し、日本、アメリカ、マレーシア、フランス、スイス、イタリア、台湾、香港などを訪問して講学授業を行いました。直接指導を受けた人は1万人を超え、国内外50以上の武術・太極拳組織から顧問、名誉主席、名誉会長などに任命されています。
特筆すべきは1983年7月、河南省体委武術館教練兼温県体委陳家溝体校教練として、三浦英夫氏の招きにより陳家溝の歴史上初めての訪問者として日本を訪れ、武術交流を行ったことです。20日余りの間に東京、大阪など8都市を訪問し、どこでも「中国功夫が来た」と大きな反響を呼びました。
著書と理論研究
理論研究成果も豊富で、全国の武術雑誌に多くの論文を発表しています。主な著作に『陳氏太極拳械彙宗』(全3冊)、『中国陳氏太極拳』教科書、『陳氏太極拳養生功』などがあり、これらの書籍やテレビ教学シリーズは国内外で広く流通しています。1992年には『中国人物年鑑』に収録され、1994年第3回国際太極拳年会で太極拳大師と評され、1995年に国家体育委員会から「全国十大武術名師」に認定されました。

陳正雷老師と坂野代表
弟子関係
陳正雷老師の入室弟子には陳斌、張東武、高東祥、傅能斌、王海軍、陳娟、鄭瑞晨、陳国華、郭書辰など61名、入門弟子には坂野裕(日本)、ペドロ、辺連俊など291名、さらに書面での弟子(递帖弟子)が48名います。国外の弟子も多く、特に知られているのは李東初(韓国)、岳黎明(イギリス)、カーロ(イタリア)、ジェフ(アメリカ)などです。
主な受賞歴
- 1986年:河南省武術伝統項目大会で太極拳第一位、全国武術観摩大会で「金獅賞」、全国第一回太極拳・剣大会で陳氏太極拳第一位
- 1987年:全国第二回太極拳・剣大会で陳氏太極拳優勝
- 2012年:中国武術協会により中国武術九段に昇格
- 2021年:2020年度「中国非物質文化遺産年度人物」に選出
山陽陳式太極拳研究会の活動内容
基本功(基礎の練習)
太極拳を学ぶ上で一番大切なものは基礎です。
- 站椿(たんとう):立ち姿勢の訓練、内側からの力の流れを養います
- 纏絲(てんし)勁:螺旋状の動きを練習し、円運動の基礎を身につけます
- 歩法:猫の歩みの如く、重心移動の安定と流れを重視します
- 推手(すいしゅ):柔らかな力の伝達と化勁を学び、相手との調和を養います
套路(型)
太極拳の「套路(とうろ)」は、単なる形だけでなく、動作の「体・用・意・勁」の関係を学ぶ総合的な練習です。
- 身と心の内側の動きから始め、柔軟かつ強靭な身体を作ります
- 自然な重心移動と意識の流れを重視し、内側から外側へと動きを生み出します
- 陳式太極拳の伝統的な套路(老架一路や二路、新架など)を段階的に学べます
- 学びやすく編纂された現代套路、精要十八式、新架二十八式、擖手七勢なども学べます
推手(対練)
推手は、太極拳の理合いを実践的に学ぶための複数での練習です。「化勁」や「発勁」「畜発の機微」などを学びます
- 相手の力を受け入れ、それに応じる感覚を養い、力み過ぎず柔らかく相手と向き合います
- 陳式太極拳の「畜発のタイミング」の練習から始め、対応力と適応力を高めます
- 相手との間に生まれる「接触点」を通して、自分と相手の関係性を理解し化勁の習得を目指します
武術としての応用
太極拳はもともとは武術であり、実戦などの場合を想定されて体系化されています。
- 柔らかい力を効果的に活かし、ただ単純に力を競うのではなく高度に訓練された勁力(ちから)と能力で賢明に対処する方法を学びます
- 相手の力に逆らわず、人に従うことで相手の力をいなし、バランスを崩すことができます
- 攻防のバランスや相手からの刺激を受け入れることで、太極拳の実戦的な応用を学び、「人われを知らず、われ独り人を知る」という真髄を目指します
健康維持・体力向上
太極拳の練習は、身体をリラックスさせ、内側から力を引き出す効果があります。
- 正しい姿勢を身につけ、全身をつなぐストレッチ効果と筋肉強化を同時に得られます
- 呼吸と内臓機能の調整により、精神的なストレスも軽減され、日々の健康維持や体力向上に役立ちます
- 年齢や体力が低下していても始められ、継続することで着実に体力の向上を期待できます

